ほとんどの人は子供の頃、誰かにほめられたことが脳の片隅にあり、それが生きる力となっているのではないだろうか。
カーネギーの本「人を動かす」で「人に好かれるには心からほめる。
人を変えるにはまずほめる」とある。そんなことから他人をほめることを憶えていくのだろう。
人と会うにもほめ処をつかめば物事がうまくいくかもしれない。
竹下さんはいろんな人をほめあげ、「ほめ殺し」のわざで政敵をやっつけて総理までなったと思う。
ところであなたは「自分をほめてやりたい」と思ったり表現したことがあるだろうか 。
マラソンの有森裕子さん、冒険家の大場満郎さんなど大目標を達成した時に発した言葉だ。
松下幸之助氏が民間最高の勲章をもらったときにもそんな事を言ったと思う。
みんな非凡な人だ。
ところで、私の場合、人をほめるのもほめられるのも苦手だ。
特に女に向かって「きれいだ!」を連発している男を見ると、この嘘つき野郎と思うのでほめる習慣がない。
逆に「いいネクタイをしているわねぇ」と言われると「それしか俺にはほめられるところがないのか」と言ってしまい、コミュニケーションが途切れる。
だから、女にもてず自己嫌悪に陥る。
しかし、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」に出会った。
「ホメラレモセズ……サウイウモノニワタシハナリタイ」であった。
そんなわけで「偉大な詩人の憧れに自分も近いんだ」と自分で自分をほめることにした。
ほめるNo.1は1998年の記事をご覧ください。 (記 2010.02)