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本格的悪役「江川」誕生

まだ、ちち(父)離れもしていないくせに、政治家みたいにバカに落ち着いた「江川」と、あわてふためいていた世馴れしているはずの「記者」たち。
スポーツ紙は、正義を振りかざし江川を悪く書けば書くほど売れて儲かる。江川があれだけ落ち着いていられるのは、プロレスの悪役みたいに自分を憎む奴がいればいるほど客が入り儲かる、と考えているのかなぁ。
そんなら「江川エンタープライズ」が「江川人形」を売り出して、江川を叩きたい奴に叩かせれば、江川も儲かるかなぁ。
小社は悪役になれない者たちで、お客様の意見をペコペコして聞きながら看板屋をしています。
今後ともよろしくお願いします。
乱筆乱文にて。
初めて短文の看板を書いたので反響が気になった。
このアイデアに、読んだ人はほめてくれると思っていた。
ゾクゾクしながら看板の前に立っていると、どこかの中年男性が「あの看板しゃくにさわる。石をぶつけてやりたいが、そこらに石でもないか。ペコペコとは何だ。おまけに手前ンところの宣伝までしてやがる」と話していた。
「実は私が書いたのですが」と言ったら「まずいことを言った」と言いつつ立ち去った。
ショックだった。読み直してみると確かにまずい。
イメージを高めようとしたのがマイナスだった。失敗作であった。
そこで第2作を考えた。当然何回も直しながらである。(記 1979.01)

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