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『GEMBA』と『KAIZEN』が世界語になった

今井さんは、日本におけるヘッドハンティングの草わけの会社 ケンブリッジリサーチ研究所をつくった人である。彼は通訳の経験もある。 『KAIZEN』

昔、講演で「改革と違い、改善という言葉は英語に訳せない。インプルーブとはニュアンスが異なる」と言っていた。 その後、今井さんの書いた『KAIZEN』という本がアメリカで出版され、14ヵ国語まで訳された。 全世界にブームが起こり『KAIZEN』という言葉が世界語になった。

欧州の超優良企業STマイクロエレクトロニクス社では、 この『KAIZEN』をバイブルとした抜粋を、世界28,000人の従業員が、 一人残らず肌身離さず持つことになっている(日経ビジネス98年10月26日号)という。

『GEMBA KAIZEN』

今井さんが今度『GEMBA KAIZEN』という本を欧米で出した。GEMBAという言葉も世界語になりそうだ。 我々は「現場」といえば、工事現場でオッサン達が作業している姿を思い浮かべ、いつの間にか軽視してしまう。

今井さんは「GEMBAは組織の大切な足腰であり、ここをよく見ることが大切。病気はここから始まる」という。

現場体験が生命力をつける

今、大蔵省・銀行・保険屋は、ほとんどが重病になってしまった。 それは「お金を集める現場」「使う現場」「払う現場」をエリートたちが見なかったためかも知れぬ。保険金殺人事件や、自殺する多額債務者の現場を見れば、エリートも少しは人間性に目覚め、 こんな結果にはならなかったかも知れぬ。

日本を悪くした族議員の問題は、彼らは「選挙現場」には滅法強く、 我々はほとんど「選挙現場」を軽視してしまった結果だと思う。よく覚えていないが、阪神大震災で村山内閣がモタモタしていたのは、「災害現場」に強い自衛隊にやらせず、現場にうとい政治家・役人たちを指示していたからではないか?

それに比べ、ボランティアが頑張ったのは、本当の「現場体験」が生命力を付けたからではないか?メーカーの経営者なら「製造現場と使用現場」をよく見ることが大切であり、校長先生や教育長なら、先生の管理も必要だが「教育現場」を見ることが大切だと思う。

そう考えると「なぜ、売れないか?」の問題は、いろいろな本はあるが、お客様の「なぜ、買ったか」「なぜ、買わなかったか」の「購入現場」を知る努力をすれば、簡単に解決できそうである。 我々はつい忙しくなると「現場」を忘れがちになる。 今、日本で売れている経営書は「グローバル」「カスタマー」「コアコンピタンス」等、輸入語が多いが、『GEMBA KAIZEN』は輸出語であり、グローバルの時代になったものだ。

「ゲンバッテクダサイ」

我々がよく使う「現場」と「頑張る」を聞いたガイジンは「ゲンバッテクダサイ」という人も出たと言う。

私は、日本人の誇りを持って「現場!! GEMBA!! 現場!!」と大声で言うようになった。 (記 1999.02)

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