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第25回 航空業界参入物語2

航空業界は、種をまいてから実になるまで、ほとんどのものが5~10年かかっている。

なぜなら、2次元の乗り物である自動車に比べ、航空機は3次元の乗り物で安全に極めて厳しく航空局の許可を得るには必要書類も膨大になり時間がかかるからだ。


前回に引き続き、Komy Short Story Vol.1から「航空業界参入物語2」を加筆修正の上、引用する。


―――例えば、ボーイング社とB787 用ビンミラーの打合せが始まったのは、2005年だった。「軽いミラーに!」という要求に応えるため、構造変更、ミラー の四隅を削るなど形状を変更し、結果として標準装備品になった。B787 は、初打合せから6年3ヶ月後の 2011年10月に初就航した。


エアバス社の A380では、承認を得るための条件をすべてクリアし初就航したのは、初打合せから8年後の2007年10月だった。


しかもエアバス社の承認には大きな壁があった。一定の時間内に基準値内で自然に火が消える Flammability(自己消火性)、煙を基準値内に抑える Smoke Density(発煙性)、毒性は基準値内でという Toxicity(有毒性)、これらすべてに合格しなければ承認は得られない。  


さまざまな条件を設定し、材料も変更しながらテストを重ねた。ようやくすべての条件をクリアして標準装備となった。


平行して、世界のエアラインにはDMを送り続けた。

LCCのトップであるサウスウエスト航空は、経営者へのDMを15回送り続けて、12年目にようやく問い合わせがあり、すぐ訪問。3ヶ月後には採用が決定した。


コミーは、2006年から航空業界のプロである元コンチネンタル航空上席副社長の鶴田国昭氏に、DM の送り方、航空機メーカーとの交渉方法など貴重なアドバイスをもらいながら進めてきた。


おかげ様で、いまや140社以上のエアラインが採用。 累計出荷数は60万枚(2021年現在)を超え、コミーミラーの信用力が上がってきた。


実際に航空機に搭乗し、設置されているコミーミラーのことを客室乗務員の方に聞くと 「とても助かっています」といつも喜んでくれる。―――


小宮山社長と海外営業担当者(2014年撮影)

コミーも気の長い会社だと思っていたが、種をまいてから実がなるまでに10年もかかるとは…しかし新しい業界にチャレンジするのは面白かった。

これからも、世界の客室乗務員の方々の悩みを解決しながら商品開発をしていきたい。


次回(最終回)更新は2021年11月10日(水)を予定しています。


コミーをもっと知るにはHPをご覧ください。


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