トイレ通路の衝突防止用のミラーを開発
先日プレスリリースをした新商品『FFミラー気配』の開発秘話について紹介したい。
(『FFミラー気配』のプレスリリースはここをクリック ※別ウィンドウで開きます)
コミーのFFミラーシリーズは、フラットなのに視野が広く、病院・オフィス・学校・工場・公共施設・商業施設など、様々な場所で衝突防止に役立っている。
シリーズの1つ、FFミラー通路は主に室内のT字路や階段の踊り場などに設置されてきた。
ここ数年、FFミラー通路の用途や使用環境をユーザーに尋ねると、意外なことに「トイレ通路の衝突防止に検討している」と言われることが増えてきていた。
トイレ通路でのミラーの必要性が高い理由としては、
・トイレ通路が狭いのでぶつかりやすい
・廊下から中が見えにくいように作られている
といったことが挙げられると思う。
だが、商品選定の相談を受けてFFミラー通路を薦めた結果、すぐに採用いただけるケースも多数ある一方で「トイレの中が見え過ぎてしまうのが良くない」という声もあった。
男性トイレの出入り口の正面にはFFミラー通路が設置されているが、女性トイレの出入り口の前には設置されていない、というケースも。
そんな折、一通の「お客様の声」を受け取った。
そこに添付されていた写真を見ると、なんとミラーの上から半透明のメンディングテープのようなものが縞模様に貼ってあったのだ。
理由は「トイレ通路にミラーを設置直後、"出入りの際、顔が分かってしまう"との意見があり、人がいることだけが分かるよう工夫した」とのこと。
大変驚いたが、これをきっかけとして「そういう要望があるのなら」と鏡面にぼかし加工を施した試作品を作った。初めて見たときは「なんだこれは?!こんなにぼかして商品になるのか?!」と思った。これが後の『FFミラー気配(けはい)』。2020年の秋だった。
商品のネーミングに紆余曲折
『FFミラー気配』という名前に決定するまで何日もかかった。
「顔はハッキリ見えなくても人の気配(けはい)が分かる」ので『FFミラー気配(けはい)』、「トイレ通路に設置されるミラー」だから「トイレ通路」を略して『FFミラートイ路(といろ)』等の案が出た。
『FFミラートイ路』は十人十色という言葉に似ていて覚えやすそうだと思い、一度は『トイ路』に決定した。しかし、この商品の一番の特徴が分かりづらいという意見もあり、また話し合いを重ねた。
やはり「このミラーの特徴を強調しよう」ということになり、商品名は『FFミラー気配』に決定した。
『FFミラー気配』のニーズは…?
『FFミラー気配』を作ってはみたものの、このミラーがトイレ通路にどれぐらい選ばれるのかは未知数だった。そんな時、埼玉高速鉄道の浦和美園駅からトイレ用のミラーの問い合わせをいただき、普通のFFミラーを設置。
ぼかし加工を施したFFミラーがあることを伝えると、普通のFFミラーよりも、ぼかし加工したものを試したいということに。実際に試してもらうと、浦和美園駅では「ぼかし加工の方がプライバシーに配慮していることが分かって良い」と好評だった。
そしてなんと浦和美園駅に取り付けた『FFミラー気配』を見た、といって某大型商業施設から連絡がきた。『FFミラー気配』を施設のトイレ出入り口に設置したいという。
詳しく話を聞いてみると、日頃から施設内の安全の取り組みをしていて、その一環として『FFミラー気配』はプライバシーに配慮をしながらも、衝突防止に役に立ちそうだと思ったとのこと。
こうして、今までは「よく見えるかどうか」だけを追求してきたコミーのFFミラーに、死角から現れる人の気配だけが十分にわかる『FFミラー気配(けはい)』が誕生することになった。 特許出願中(2021年4月現在)。
この商品は日本だけでなく世界で売れる気配(けはい)がする!
次回(第13回)更新は2021年5月12日(水)を予定しています。
コミーをもっと知るにはHPをご覧ください。
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