貧しくても生きる知恵がいっぱい『メダカはどこへ』 (河野 實著)を読んで


著者、河野さんとは経営勉強会で知り合いました。 現職はジャーナリストですが、かつては『愛と死を見つめて』のベストセラーを書いたこともある人です。 この本は河野さんの4、50年前の体験記です。

私とはほぼ同世代。同じ信州育ちでした。 私は農業体験もありませんし、不器用で記憶力も良くありませんが、この本で4、50年前の記憶が次々と甦ってきました。 彼独自の当時の性格(?)「不公平に対する怒り」や「自己主張の強さ」がこの本を面白くしていると思います。

私も読んでいるうちに、昔の「みんな貧乏でも生命力のあった時代」へとタイムスリップすることができました。

それにしても日本はたった4、50年で激変しました。 「食べ物」「環境」「教育と遊び」 「働き方」「親子や男女の主従関係」等。これから、10年、30年後、日本はどうなっちゃうのだろうか。

今、我々日本人は人類史上最高の自由と快楽と長寿を味わっているはずです。 しかしこのままでは、大変なことになる問題がどんどん発生しています。 この本にはニュージーランド、オランダ、ベトナムでの生き方など我々にとってこれからの参考になる例があります。

河野さんは「あとがき」で還暦すぎの同級生に喧嘩を仕掛けています。 「半世紀後、現代を語りたがらない同級生たちは、いわゆる発展した物質文明の中で過不足なく生活しているが、なぜか生き生きと未来を語る覇気をなくしている。未来を語れない社会に発展はない」と。 同級生たちに煙たがられたでしょうな。

今、日本村は自殺者年間3万人のクラーイ村。 明るいものといえば、「サラ金」「パチンコ」「ラブホテル」の看板ぐらいか? 私の身のまわりの人たち、4~50代はリストラや仕事のストレス。 対して天国に近い60代以上は、会社生活や家庭生活から解放され、趣味や旅行の優雅な年金生活だけの人が多い気がします。

名門会社カゴメの昔の川柳に 「わが社風、出るに出られぬぬるい風呂」 とあり、なかなか改革できなかったといいます。 今、日本人の多くがだんだんぬるくなってくる共同風呂に入っているような気がします。 これからは一人ひとりぬるい風呂から飛び出す必要があると思います。

面白いことに、信州では名門銀行の頭取という立場の人がぬるい風呂から飛び出し、政治経験の全くない、しかもエロ(?)でイメージの悪かった田中康夫を知事に推薦し、しかも当選してしまうというドラマが始まりました。 今でも信州では「蜂の巣をつついた」ようになっているようです。

河野さんも洟垂れ小僧時代に戻り、日本村の蜂の巣をどんどんつついたり、ぬるい共同風呂にまだ入り続けている人たちに水をぶっかけたりしてみて下さい。

日本村もだんだん明るく面白くなっていくのではと思いました。

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