第10回 CAさんの”棚押す悩み”解決物語

地上の乗り物である車や電車などは、危険があった時に外に逃げれば良いが、航空機は逃げ場が無く、安全に関する基準が極端に厳しい。中でも、CA(キャビンアテンダント)さんにとって、離着陸時に手荷物入れがちゃんと閉まっているかのチェックがとても大変だということが分かった。 以下『Komy Short Story Vol.2』に掲載している「タナオス開発物語」より、一部加筆修正の上、引用する。 ───CAミラーの経験から、さらにCAさんの役に立てる商品開発はできないかと考えていた。2015年のある日、JALのCAさんから「手荷物入れが完全に閉まっているか確認するための棒を作れませんか?」というメールが届いた。 ‟以前、コミーを訪問した際に頂いた『手長箸』が手荷物入れの確認に使えそうだと考えているが、もう少し可愛らしいものに出来ないか?”ということだった。早速、詳細を確認するため営業、技術の社員2名が現場へ行った。 CAさんは、離着陸前に手荷物入れが完全に閉まっているか手で押して確認することになっているが、大きな機体では座席のステップに乗って確認する。その際、乗客にも触れてしまうことがある。この作業が大変なので「お客様のご迷惑にならないように、華麗に楽に確実にスピーディーに確認作業を行えるような棒が欲しい」「伸縮出来て、使わないときはCAのポーチに入るような軽くてサイズが小さくなるものが良い」などの具体的な要望をいただいた。 まさか、CAさんがこのような棒を乗務作業で使用したいとは思いもしなかった。 約1年かけて試作品1号が完成した。まずは、約3週間30本を運航中に使用していただいた。伸縮性の強度不足など問題があがり設計変更が必要という結果だった。設計変更後、試作品2号が完成。今回は、テスト運用なしで完成品として、1000本を受注し納品させていただいた。JALのCAさんがつけた「TanaOS(タナオス=棚押す)」という名前に感動し、そのまま商品名として採用した。 しかし、使用開始直後から問題が発生した。先端のゴムがはずれる、また伸縮するネジがはずれて分解してしまうという問題がおきてしまったのだ。連絡を受けてから、すぐに現場へ向かい対策案をご説明し、全品回収して改良した。30人分の注文で問題が無かったからといって、1000人分の注文の時はそうとは限らない。初めての商品はもう少し慎重に商品開発を行う必要があった、と感じている。 改良後、CAさんからは「腰痛がなくなった。作業がとても楽になった。」と好評だ。  さらにお役に立てることはないか、技術顧問を含め知恵を出しあいながら追求していきたい。─── コミーはなぜなぜを繰り返しながら現場の声を大切にしてきた。その過程で開発型メーカーとして自信がついてきた。現在、他の会社との共同開発を承っているところである。 お困り事があれば、是非ご相談ください。 次回(第11回)更新は2021年4月14日(水)を予定しています。 コミーをもっと知るにはHPをご覧ください。 https://www.komy.jp

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